審査に通らないときの「優先順位」
賃貸の入居審査に通らない場合、やみくもに物件へ申し込むのは逆効果です。重要なのは、審査で見られるポイントを理解し、「どこから見直すべきか」という優先順位を正しく押さえること。特に家賃設定・保証条件・物件タイプの3点は、審査結果を大きく左右します。まずは最も影響が大きい要素から順に調整することで、審査通過率を効率よく高めることができます。
最優先は「家賃設定(手取りの◯%以内)」を見直す
賃貸審査で最も重視されるのが「家賃と収入のバランス」です。一般的に、家賃は手取り収入の30%以内が目安とされ、これを超えると支払い能力に不安があると判断されやすくなります。
例えば、手取り20万円の場合、家賃は6万円前後が安全圏です。審査に落ちた経験がある場合は、「駅距離を少し妥協する」「築年数を広げる」「専有面積を見直す」などして家賃帯を下げることが最優先です。
収入証明を出しても通らないケースの多くは、そもそもの家賃設定が原因であるため、まずは無理のない金額に調整することが審査突破への近道となります。
次に「保証(保証会社/連帯保証人/契約者)」を組み替える
家賃設定を見直しても審査に通らない場合は、保証の組み方を再検討する必要があります。現在の賃貸契約では保証会社の利用が一般的ですが、保証会社ごとに審査基準は異なり、過去の滞納歴や雇用形態によっては通りにくい場合があります。
その際は、別の保証会社へ変更できないか不動産会社に相談するのが有効です。また、安定収入のある親族を連帯保証人に立てる、もしくは親や会社を契約者にする代理契約・法人契約に切り替えることで、審査が通るケースも少なくありません。保証条件は柔軟に組み替えられる要素のため、諦めず調整することが重要です。
最後に「物件タイプ(審査が比較的通りやすい物件)」へ切り替える
家賃や保証条件を調整しても審査が厳しい場合は、物件タイプそのものを切り替えることを検討しましょう。例えば、UR賃貸や公社賃貸は民間賃貸と審査基準が異なり、保証人不要で入居できるケースがあります。また、シェアハウスや家具家電付き賃貸、マンスリーマンションなどは、入居審査が比較的柔軟な傾向があります。
特に転職直後や収入が不安定な時期は、こうした物件で一度住まいを確保し、状況が整ってから再度賃貸を探すのも現実的な選択肢です。審査に固執せず、住まいの形を変える発想も重要です。
賃貸の入居審査とは?いつ・誰が・何のためにするの?
賃貸の入居審査とは、物件を貸しても問題ない入居者かどうかを事前に判断するための手続きです。審査は申込み後すぐに行われ、家賃滞納やトラブルのリスクを防ぐことが主な目的です。審査の流れや判断する主体、チェックされるポイントを理解しておくことで、審査に通らない原因を把握し、事前対策を立てやすくなります。
ここでは、賃貸の入居審査について解説します。
入居審査の流れ
賃貸の入居審査は、一般的に「入居申込み→審査→結果通知→契約」という流れで進みます。
- まず、申込書に勤務先や収入、連帯保証人などの情報を記入
- 不動産会社を通じて管理会社や大家、保証会社へ提出
- その後、収入や信用情報、保証条件などが確認され、問題がなければ1日〜数日で審査結果が出る
追加書類の提出を求められることもあり、対応が遅れると審査に時間がかかる点には注意が必要です。スムーズに進めるためには、申込み前から必要書類を揃えておくことが重要です。
審査するのは誰?
入居審査を行うのは一つの組織だけではありません。多くの場合、大家(貸主)・管理会社・家賃保証会社が関与します。最近は保証会社の利用が必須となるケースが多く、実質的な判断を保証会社が行うことも少なくありません。保証会社は、申込者の収入や信用情報を重視し、支払い能力を中心に審査します。
一方、大家や管理会社は人柄や物件との相性、過去のトラブルリスクなども含めて判断します。そのため、不動産会社とのやり取りや対応の印象も、間接的に審査結果へ影響する点を理解しておきましょう。
審査で見られる4つのポイント
賃貸の入居審査で主に見られるポイントは、「収入」「信用情報」「保証」「人柄」の4つです。
- まず、家賃が手取り収入の30%以内かどうかが重要視される
- 次に、クレジットカードやローンの滞納歴など信用情報が確認される
- さらに、連帯保証人や保証会社の条件が整っているかも大きな判断材料になる
- 最後に、不動産会社や管理会社とのやり取りを通じた人柄やマナーも評価される
これら4点のどこに不安があるかを把握することが、審査対策の第一歩となります。
お部屋を検索
家具・家電付き物件のみ掲載中!
入居審査で必要な書類・情報
賃貸の入居審査では、申込者の身元や支払い能力を確認するため、複数の書類や情報の提出が求められます。書類が不足していたり内容に不備があると、それだけで審査に時間がかかったり、不利に判断されることもあります。本人確認・在籍確認・収入証明は特に重要な項目であり、事前に準備しておくことで入居審査をスムーズに進めることができます。
この章では、入居審査で必要な書類と情報について紹介します。
本人確認・在籍確認に関わるもの
本人確認では、運転免許証やマイナンバーカード、パスポートなどの公的身分証明書の提出が求められます。これにより、申込者が実在する人物であるかを確認します。
また、在籍確認として、勤務先の名称・所在地・連絡先を申込書に記載し、必要に応じて勤務先へ電話確認が入る場合もあります。社員証や健康保険証の提出を求められるケースもあり、特に転職直後や勤続年数が短い場合は、在籍を証明できる資料を用意しておくと安心です。虚偽の記載は審査落ちの原因となるため、正確な情報を記入することが重要です。
収入証明
入居審査では、家賃を安定して支払えるかどうかを判断するため、収入証明書の提出が求められます。会社員の場合は、源泉徴収票や直近数か月分の給与明細が一般的です。
個人事業主やフリーランスの場合は、確定申告書や納税証明書、売上の推移がわかる資料を提出します。アルバイトやパートでも、継続的な収入が確認できれば審査に通る可能性はあります。収入が不安定な場合は、預貯金の残高がわかる通帳コピーを併せて提出することで、支払い能力を補足説明できる点も覚えておきましょう。
申込書で見落としがちな項目
入居申込書には、収入や勤務先以外にも多くの確認項目があります。特に見落とされがちなのが、緊急連絡先・同居人の情報・入居目的です。緊急連絡先が親族以外の場合、不安材料と判断されることもあります。
また、同居人がいる場合は続柄や人数を正確に記載する必要があります。記入漏れや曖昧な表現は、追加確認や審査遅延の原因になります。申込書は「審査資料」として扱われるため、空欄を作らず、事実を正確かつ丁寧に記載することが審査通過率を高めるポイントです。
賃貸の審査に通らない人のよくある例
賃貸の入居審査に通らない理由は一つではなく、複数の要因が重なっているケースがほとんどです。特に収入と家賃のバランス、雇用状況、信用情報、保証条件、人柄や利用状況は審査結果に大きく影響します。
ここでは、実際に多い「審査に落ちやすい典型例」を把握し、自分がどこに該当するのかを整理できるよう解説します。
家賃と収入が見合っていない
審査に通らない理由で最も多いのが、家賃と収入のバランスが取れていないケースです。一般的に、家賃は手取り収入の30%以内が目安とされており、これを超えると家賃滞納リスクが高いと判断されやすくなります。たとえ正社員であっても、家賃が高すぎると審査に落ちる可能性は十分あります。
ボーナスや副業収入を見込んで申し込む人もいますが、審査では毎月安定して支払えるかが重視されるため、想定収入は評価されにくい点に注意が必要です。
雇用形態や勤続年数が短い/収入が安定していない
雇用形態や勤続年数も、入居審査では重要な判断材料です。転職直後で勤続年数が短い場合や、派遣社員・契約社員・アルバイトなど収入が変動しやすい働き方は、将来的な支払い能力に不安があると見なされやすくなります。
また、個人事業主やフリーランスの場合も、収入の波が大きいと審査が厳しくなる傾向があります。ただし、安定した取引先や過去数年分の確定申告書を提出できれば、評価が改善されるケースもあります。
家賃・ローン・クレカの滞納歴
過去に家賃やローン、クレジットカードの支払いを滞納した経験がある場合、審査に大きく影響します。これらの情報は信用情報として保証会社に共有されており、滞納歴がある=支払いリスクが高いと判断されがちです。
数年前の一度きりの遅延であっても、内容によっては審査に通らないことがあります。現在は問題なく支払っていても、信用情報が一定期間残る点を理解しておく必要があります。
借金が多い/リボ・分割が多い
借金の総額や支払い状況も審査対象です。特にリボ払いや分割払いを多用している場合、毎月の固定支出が多いと判断され、家賃支払い余力が低いと見なされることがあります。
借金があっても必ず落ちるわけではありませんが、返済額が収入に対して大きい場合は不利になります。入居審査前にリボ残高を整理したり、完済しておくことで、審査通過率を高められる可能性があります。
保証人・緊急連絡先を用意できない
連帯保証人や緊急連絡先を用意できない場合も、審査に通らない原因となります。保証会社を利用する場合でも、緊急連絡先は必須となるケースがほとんどです。親族ではなく友人のみの場合、不安材料と判断されることもあります。
また、連帯保証人に安定した収入がない場合や、高齢すぎる場合も審査が厳しくなる傾向があります。保証条件は柔軟に見直せる部分でもあるため、不動産会社へ相談することが重要です。
申込内容の不備・虚偽
入居申込書の記載内容に不備や虚偽があると、それだけで審査に落ちる可能性があります。記入漏れや誤字脱字だけでなく、勤務先や収入を実際より良く見せようとする行為は、発覚した時点で信用を大きく損ないます。
審査では「正確性」と「一貫性」が重視されるため、書類間で情報が食い違っている場合もマイナス評価につながります。申込書は必ず見直し、事実を正確に記載しましょう。
人柄・コミュニケーションで不安視される
意外に見落とされがちですが、人柄やコミュニケーションも審査に影響します。不動産会社や管理会社とのやり取りが横柄だったり、連絡が遅い、約束を守らないといった態度は、「入居後のトラブルが心配」と判断される要因になります。
大家や管理会社は、長期間安心して貸せる相手かどうかも見ています。丁寧で誠実な対応を心がけるだけでも、印象が大きく変わることがあります。
同居人・利用目的などでトラブルが想定される
同居人の人数や関係性、物件の利用目的が不明確な場合も、審査に通らないことがあります。たとえば、申告していない同居人がいる可能性や、事務所利用・又貸しが疑われるケースは、貸主側にとって大きなリスクです。
ペット可否や楽器演奏など、契約条件とズレた使い方が想定される場合も警戒されます。入居後のトラブルを避けるためにも、利用目的や同居状況は正直かつ明確に伝えることが重要です。
お部屋を検索
家具・家電付き物件のみ掲載中!
審査に通りやすくする具体策
賃貸の入居審査に不安がある場合でも、対策次第で通過率を高めることは可能です。重要なのは、審査で見られるポイントに合わせて条件や伝え方を調整すること。特に家賃設定、保証条件、契約形態、不動産会社の選び方は結果を左右します。
ここでは、実践しやすく効果の高い具体策を順に解説します。
家賃帯を下げる
審査対策として最も効果が高いのが家賃帯の見直しです。一般的に家賃は手取り収入の30%以内が目安とされ、これを超えると支払い能力に不安があると判断されやすくなります。審査に落ちた場合は、駅徒歩分数を伸ばす、築年数を広げる、設備条件を整理するなどして家賃を下げるのが有効です。
「今の収入で確実に払える金額」に調整することで、保証会社や大家の評価が大きく改善され、同じ条件でも審査に通るケースは少なくありません。
預貯金を示す
収入が不安定、または勤続年数が短い場合は、預貯金を示すことで支払い能力を補足できます。通帳のコピーや残高証明を提出することで、「一時的に収入が減っても家賃を払える余力がある」と判断されやすくなります。特にフリーランスや転職直後の人にとって有効な対策です。
ただし、見せかけの入金は逆効果になる可能性があるため注意が必要です。継続的な貯蓄実績が確認できる形で提示することが、審査通過につながります。
連帯保証人を「安定収入の親族」にする
連帯保証人を立てる場合は、安定した収入のある親族を選ぶことが重要です。保証人の年収や雇用形態、年齢も審査対象となるため、可能であれば正社員で勤続年数の長い親族が理想的です。
保証会社を利用する場合でも、保証人がいることで評価が上がるケースは多くあります。友人や知人よりも親族の方が信頼性は高く、審査を有利に進めるポイントとなります。
保証会社を変える/審査基準が合う保証会社を選ぶ
保証会社ごとに審査基準は異なります。ある保証会社では落ちても、別の会社なら通るというケースは珍しくありません。過去の滞納歴や雇用形態によって相性が分かれるため、不動産会社に「保証会社を変更できないか」相談してみましょう。
特に審査が厳しめの保証会社が指定されている物件では、基準が合わない可能性もあります。複数の選択肢を持つことが審査突破の鍵です。
契約者を親・勤務先にする
本人名義での契約が難しい場合、親や勤務先を契約者にする方法もあります。親が契約者となり、自分が入居者として住む「代理契約」や、会社が契約する「法人契約」は、審査が通りやすくなる代表的な手段です。特に新社会人や転職直後の人に有効です。
ただし、物件によっては不可の場合もあるため、事前に不動産会社へ確認が必要です。
家賃の先払い・条件交渉が効くケース/効かないケース
家賃の先払いや条件交渉で審査が通ることもありますが、万能ではありません。大家が個人で判断する物件では、数か月分の先払いが評価される場合があります。
一方、保証会社が主導する審査では、先払いはほとんど評価されないことも多いです。交渉が有効かどうかは物件次第のため、不動産会社に見極めてもらうことが重要です。
不動産会社とのやり取りは丁寧に
審査では書類だけでなく、やり取りの印象も間接的に影響します。連絡が遅い、態度が横柄、質問に対する回答が曖昧といった対応は、管理会社や大家に不安を与えます。
丁寧で誠実なコミュニケーションを心がけることで、「トラブルの少ない入居者」と判断されやすくなります。基本的なマナーを意識するだけでも、審査結果が変わることがあります。
審査に強い不動産会社に依頼する
審査に不安がある場合は、経験豊富で事情を理解してくれる不動産会社に依頼することが重要です。審査に強い不動産会社は、物件選びの段階で通りやすい選択肢を提案し、保証会社や大家への説明も適切に行ってくれます。
自分の状況を正直に伝え、最初から相談することで、無駄な審査落ちを防ぎ、スムーズな入居につながります。
属性別|通りにくいと言われがちなケースの対策
賃貸の入居審査では、申込者の属性によって「通りにくい」と判断されやすいケースがあります。ただし、属性そのものが問題なのではなく、支払い能力や継続性をどう証明できるかが重要です。無職や学生、フリーランス、外国籍など、それぞれに適した対策を取ることで、審査通過の可能性を高めることができます。
ここでは属性別の対策について解説します。

無職・転職直後:内定通知書/貯蓄/契約者変更で対策
無職や転職直後は収入実績が不足しているため、審査が厳しくなりがちです。この場合、内定通知書や雇用契約書を提出し、近い将来の収入が確定していることを示すのが有効です。
また、十分な預貯金がある場合は通帳コピーを提出し、一定期間家賃を支払える余力をアピールしましょう。さらに、親を契約者にする代理契約や、連帯保証人を立てることで評価が改善されるケースもあります。収入がない現状だけでなく、今後の見通しを具体的に示すことが重要です。
学生:親の契約・保証、アルバイト収入の扱い
学生は安定収入がないため、原則として親の関与が前提となります。親を契約者にする、もしくは連帯保証人として立てることで、審査は通りやすくなります。アルバイト収入がある場合でも、審査では補助的な評価にとどまることが多いため、過度に期待しない方が無難です。
源泉徴収票や給与明細があれば提出し、継続的な収入があることを示すとプラス評価につながります。学生向け物件や学生可の物件を選ぶことも、有効な対策の一つです。
個人事業主・フリーランス:確定申告・売上推移の出し方
個人事業主やフリーランスは、収入の安定性が不透明と判断されやすい傾向があります。対策として、直近1〜2年分の確定申告書を提出し、継続的な収入実績を示すことが重要です。あわせて、月ごとの売上推移がわかる資料や取引先の継続性を説明できると評価が上がります。
開業直後の場合は、預貯金を示したり、保証人を立てることで審査が通る可能性があります。数字で説明できる資料を用意することがポイントです。
派遣・契約社員:契約期間/更新見込みの説明
派遣社員や契約社員は雇用期間が限定されているため、審査で不利に見られることがあります。その場合、現在の契約期間や更新実績、今後の更新見込みを明確に説明することが有効です。雇用契約書や就業条件明示書を提出し、一定期間の収入が見込めることを示しましょう。
勤続年数が短くても、同じ派遣会社で長く就業している場合はプラス評価につながることもあります。収入の継続性を具体的に伝えることが重要です。
外国籍:在留カード、勤務先、コミュニケーション不安の払拭
外国籍の方は、在留資格や言語面での不安から審査が慎重になることがあります。まず在留カードを提出し、在留期限が十分に残っていることを示しましょう。あわせて、勤務先や収入を明確にし、日本で安定して生活できる状況を説明することが大切です。
日本語でのやり取りに不安がある場合は、通訳や保証人の協力を得るのも一案です。丁寧なコミュニケーションを心がけることで、管理会社や大家の不安を和らげることができます。
お部屋を検索
家具・家電付き物件のみ掲載中!
それでも審査が厳しいときの「物件タイプ」切り替え
家賃設定や保証条件を見直しても入居審査が通らない場合は、物件タイプ自体を切り替えることが有効な選択肢となります。賃貸物件には審査の仕組みが異なる種類があり、一般的な民間賃貸にこだわらないことで入居できる可能性が広がります。
ここでは、審査が厳しい人でも検討しやすい代表的な物件タイプを紹介します。
保証会社不要の物件を探す
保証会社の審査に通らない場合、保証会社不要の物件を探すのも一つの方法です。これらの物件では、大家や管理会社が直接入居可否を判断するため、信用情報よりも人柄や支払い意欲が重視されることがあります。
ただし、物件数は少なく、家賃の前払いや連帯保証人を求められるケースもあります。条件は物件ごとに異なるため、不動産会社に「保証会社不要で探したい」と明確に伝えることが重要です。
UR賃貸・公社賃貸など“仕組みが異なる”選択肢
UR賃貸や住宅供給公社の賃貸住宅は、民間賃貸とは異なる審査基準を採用しています。多くの場合、礼金・仲介手数料・更新料が不要で、保証人を求められないケースもあります。その代わり、一定の収入基準や貯蓄要件を満たす必要があります。
信用情報よりも、現在の支払い能力が重視される点が特徴です。条件に合えば、審査に不安がある人にとって有力な選択肢となります。
シェアハウス・家具家電付きなど
シェアハウスや家具家電付き賃貸は、一般的な賃貸物件よりも入居審査が柔軟な傾向があります。特にシェアハウスは、保証会社を利用しないケースも多く、初期費用が抑えられる点が魅力です。家具家電付き物件は、短期入居や転居が多い人向けに設計されており、収入や勤続年数を厳しく見られないこともあります。
住み方に制限はありますが、審査に不安がある人にとって現実的な選択肢です。
マンスリー/ウィークリーで一旦住まいを確保する
すぐに一般賃貸へ入居できない場合、マンスリーマンションやウィークリーマンションで一旦住まいを確保する方法もあります。これらは賃貸借契約ではなく、利用契約となるため、入居審査が簡易的なケースが多いのが特徴です。
短期間住みながら転職や収入の安定を待ち、状況が整ってから再度賃貸を探すことで、結果的に希望条件に近い物件へ入居できる可能性が高まります。
審査に落ちた後の動き方
賃貸の入居審査に落ちた場合でも、適切に行動すれば次の申込みで通過できる可能性は十分あります。重要なのは、原因を整理せずに同じ行動を繰り返さないこと。落ちた理由の把握、再申込みのタイミング、条件の見直しを段階的に進めることで、無駄な審査落ちを防げます。
ここでは、審査後に取るべき正しい動き方を解説します。
落ちた理由はどこまで聞ける?
入居審査に落ちた理由は、必ずしも詳細まで開示されるわけではありません。特に保証会社が関与している場合、個別の判断理由は非開示とされることが多いです。ただし、不動産会社を通じて「家賃設定」「保証条件」「収入面」など、大まかな理由を教えてもらえるケースはあります。
感情的に問い詰めるのではなく、次に活かすための確認として冷静に聞くことが重要です。理由の方向性が分かるだけでも、次の対策が立てやすくなります。
再申込みのタイミングと、同条件で連続申込みしない工夫
審査に落ちた直後に、同じ条件で別物件へ立て続けに申込むのは避けた方が無難です。
短期間に複数回の審査履歴が残ると、保証会社から慎重に見られる可能性があります。再申込みの際は、家賃帯を下げる、保証人を追加する、物件タイプを変えるなど、必ず条件を一つ以上変更しましょう。
焦らずに条件を調整してから申込むことで、通過率を高めることができます。
問題を解消してから探し直す
審査に落ちた原因が明確な場合は、その問題を解消してから再度物件探しをすることが重要です。
例えば、借金やリボ払いが多い場合は返済を進める、転職直後であれば数か月勤務実績を積む、預貯金が少なければ貯蓄を増やすなど、改善できるポイントは少なくありません。一時的にマンスリー物件を利用しながら状況を整えるのも有効な手段です。
準備期間を設けることで、次の審査結果は大きく変わります。
焦って危ない業者に頼らないための注意点
審査に落ちた直後は焦りから、「必ず通る」「審査なし」を強調する業者に惹かれがちです。しかし、高額な手数料を請求されたり、違法な契約を結ばされるリスクもあります。正規の不動産会社は、審査を完全に省略することはできません。
過度な甘い言葉には注意し、宅建業免許の有無や契約内容を必ず確認しましょう。冷静に判断することが、安全な住まい探しにつながります。
審査をスムーズに通過するための最終チェックリスト
賃貸の入居審査をスムーズに通過するためには、申込み前の最終確認が欠かせません。多くの審査落ちは、家賃設定・書類不備・保証条件のいずれかに原因があります。申込み後に慌てないためにも、事前にチェックリストを活用し、審査で見られるポイントを一つずつ確認しておくことが重要です。
この章では、審査をスムーズに通過するためのチェックリストとして解説していきます。
家賃設定チェック
まず確認すべきなのが、家賃設定が現在の収入に見合っているかどうかです。目安は手取り収入の30%以内で、これを超えると審査は一気に厳しくなります。管理費や共益費も含めた実質家賃で判断する点も重要です。
ボーナスや副業収入を前提にせず、毎月確実に支払える金額になっているかを再確認しましょう。家賃設定を見直すだけで、同じ条件でも審査通過率が大きく改善されるケースは少なくありません。
書類チェック
入居申込みに必要な書類がすべて揃っているか、内容に不備がないかを確認します。身分証明書、収入証明、在籍確認書類などが最新のものであるかがポイントです。
また、申込書の記入漏れや誤字脱字、書類間の情報の食い違いは審査に悪影響を与えます。提出前にもう一度見直し、事実を正確に記載しているか確認しましょう。書類の完成度は、審査担当者への信頼感にも直結します。
保証チェック
最後に、保証条件が適切かどうかを確認します。保証会社の指定がある場合は、過去の審査結果や自分の属性と合っているかを不動産会社に相談しましょう。連帯保証人を立てられる場合は、安定収入のある親族が望ましいです。緊急連絡先が確保できているかも忘れずに確認してください。
保証の組み方次第で審査結果が変わることも多いため、事前のチェックが重要です。
よくある質問
賃貸の入居審査については、「どれくらい日数がかかるのか」「落ちた後はどうすればいいのか」など、多くの疑問を持つ人が少なくありません。
ここでは、実際によく寄せられる質問を取り上げ、入居審査でつまずきやすいポイントと正しい対応方法を分かりやすく解説します。
Q. 入居審査は何日かかる?遅い理由は?
入居審査にかかる日数は、一般的に1日〜3日程度が目安です。ただし、保証会社・管理会社・大家の確認が必要な場合や、週末・祝日を挟むと1週間ほどかかることもあります。審査が遅くなる主な理由は、提出書類の不足や記載内容の確認、在籍確認が取れないケースです。
また、保証会社の審査が混み合っている時期(引っ越しシーズン)も時間がかかりやすくなります。事前に書類を揃え、連絡が取れる状態にしておくことで、審査の長期化を防ぐことができます。
Q. 審査後にキャンセルはできる?
原則として、契約前であればキャンセルは可能です。入居審査に通過した後でも、重要事項説明や賃貸借契約を締結する前であれば、キャンセル料が発生しないケースが多いです。
ただし、申込金や預かり金を支払っている場合は、返金条件を確認する必要があります。契約書に署名・押印をした後はキャンセルが難しくなるため、迷っている場合は早めに不動産会社へ相談することが重要です。
Q. 連帯保証人と保証会社はどっちが必要?
近年の賃貸契約では、保証会社の利用が必須となる物件が増えています。そのため、連帯保証人がいても保証会社の審査を受ける必要があるケースが一般的です。
ただし、保証人を立てることで審査が有利になる場合もあります。物件によっては「保証会社のみ」「保証会社+連帯保証人」の両方を求められることもあるため、条件は事前に確認しましょう。自分の状況に合った保証の組み方を選ぶことが大切です。
Q. 2回落ちたけど、次はどう変えるべき?
2回以上審査に落ちている場合、同じ条件で申込みを続けても結果は変わりにくいです。次は必ず、家賃帯を下げる、保証人を追加する、保証会社を変更する、物件タイプを変えるなど、条件を一つ以上変更しましょう。
また、落ちた理由の方向性を不動産会社に確認し、それに合った対策を取ることが重要です。必要であれば一度時間を置き、収入や貯蓄を整えてから再挑戦するのも有効な方法です。
まとめ
賃貸の入居審査に通らない場合でも、原因を正しく理解し、順序立てて対策を講じることで通過率は大きく改善します。特に重要なのは、家賃設定・保証条件・物件タイプの見直しです。家賃は手取り収入の30%以内を目安に調整し、保証会社や連帯保証人、契約者の組み方を柔軟に検討しましょう。
また、属性によって不利になりやすいケースでも、必要書類の準備や説明の工夫でカバーできます。それでも難しい場合は、UR賃貸やシェアハウス、マンスリー物件など選択肢を広げることが有効です。
もし、審査に落ちてしまったとしても焦らず、原因を整理し条件を変えて再申込みすることが、理想の住まいへの近道となります。