家具・家電付き物件とは
家具・家電付き物件とは、一般的な賃貸アパートに家具や家電が備え付けられているタイプを指します。 特に単身者向けのワンルームタイプのお部屋に多く、入居時の負担を減らせる物件として注目を集めています。家具家電付きアパートメントによくある設備としては、
- 照明
- エアコン
- 冷蔵庫
- 洗濯機
- カーテン
などが挙げられるでしょう。
このほかにも、設備が充実しているアパートであれば、テレビやソファ、ラグといったくつろぎ用アイテムがそろっているところも。
具体的に何が備え付けられているのかは、物件によって差がありますから、契約前にはその実態をしっかりと確認しておいてください。
賃貸物件・マンスリーマンションとの違い
家具家電付きアパートメントへの入居を検討する際に、気になるのが一般的な賃貸物件やマンスリーマンションとの違いについてです。 それぞれで異なる特徴を持っているため、詳細情報を把握したうえで自分に合ったタイプを選択すると良いでしょう。まず、一般的な賃貸物件との違いは、お部屋の中に家具や家電が備え付けられているかどうかという点です。
また一般賃貸と比較して付加価値がプラスされる分、家賃は高めに。 なかなか借り手が付かない一般賃貸物件が、入居者募集のために家具家電付きアパートメントに変わるケースも少なくありません。
契約の流れや種類、審査内容などについては、一般賃貸と家具家電付き物件との間に差はないでしょう。
一方、マンスリーマンションと家具家電付きアパートメントでは、契約形態から異なってきます。
30日以上の期間で短期契約・即入居が可能なマンスリーマンションは、ホテル代わりに数か月から1年程度生活するのに適しているでしょう。
家具家電付き物件よりも家賃は高くなるものの、敷金や礼金、仲介手数料といった費用はかからない物件がほとんどです。 光熱費も家賃に含まれるケースも多く、生活費を安定させやすいという特徴があります。
賃貸物件・家具付き物件・マンスリーマンションの特徴比較
賃貸物件・家具付き物件・マンスリーマンションのどれを選ぶかで悩んだら、以下の比較表を参考にしてみてください。マンスリーマンションとの違い
マンスリーマンションと家具付き物件は、どちらも「家具付き」で「すぐに生活できる」という特徴を備えています。一方で、費用面に目を向けてみると、非常に大きな違いがあります。
初期費用がかからない分、マンスリーマンションの家賃は高め。 短期間の入居には適していますが、長期にわたって生活しようと思うと、コストパフォーマンスが悪くなってしまうでしょう。
家具家電付きアパートメントも、一般賃貸物件と比較すると家賃は高めですが、マンスリーマンションほどの負担額にはなりません。 1~2年程度の居住には、こちらのほうが向いています。
賃貸物件との違い
賃貸物件と家具・家電付き物件の費用面での大きな違いは、引っ越し準備段階にあります。家具や家電を新たに一式そろえようと思うと、その負担額は数十万円に上ることも。 家具・家電付きなら、この負担を軽減できるでしょう。 居住期間が長くなると、家賃のプラス分で経済的なメリットが少なくなっていきます。
どのくらいの期間住む予定なのかを踏まえたうえで、どちらを選ぶのか決定するのがおすすめです。
家具・家電付き物件のメリット
家具・家電付き物件にはさまざまなメリットがあります。ぜひ注目してみてください。初期費用を抑えられる
先ほどもお伝えしたとおり、家具・家電付き物件を選ぶメリットは、初期費用の安さにあります。大学進学を理由に賃貸アパートを契約する場合、契約にかかる費用以外にもさまざまな負担が発生します。 「入学金にアパート契約金を払ったら、もう余裕がない!」というケースもあるでしょう。 家具・家電付き物件を選べば、購入費用を節約できます。
できるだけ多くの設備を備えた物件を選択するのがおすすめです。
家具・家電を買わず引っ越せる
急に単身赴任が決まったときなど、「新居用の家具や家電を購入している時間がない…」という方も多いはずです。家具・家電付き物件を選べば、一から自分で選び、購入手続きを取る必要はありません。 アパート契約を結ぶだけで、生活に必要な最低限の家具・家電を確保できるのです。
引っ越し前の面倒な作業を減らせれば、その分時間的・肉体的余裕も生まれます。 自分はもちろん、家族への負担も軽減できるでしょう。
身軽に引っ越すことができる
家具・家電付き物件へと引っ越す際には、備え付けられている設備を運ぶ必要はありません。 冷蔵庫や洗濯機は、日常生活を送るうえで欠かせないもの。しかしながら、大きく重い家電製品を運ぶのは決して簡単ではないでしょう。 家具・家電付き物件なら、面倒な引っ越し手続きを取らなくても、身の回りの小物アイテムを運ぶだけですぐに新生活をスタートできます。
引っ越し費用を節約したい方にとっても、メリットの大きいスタイルです。
家具・家電付き物件のデメリット
メリットがある一方、家具・家電付き物件には意外と多くのデメリットもあります。 物件選びで「こんなはずじゃなかった…」という事態を避けるためにも、デメリットを許容できるかどうか、事前に確認してみてください。家賃が周辺物件よりも高い
家具家電付きアパートメントの家賃は、一般的な賃貸物件よりも高く設定されがちです。契約期間が長期になればなるほど、差額は無視できないものになっていくでしょう。 家具・家電付き物件の情報だけをチェックしていると、一般賃貸との金額差を見落としてしまう可能性も。
それぞれの家賃の目安を把握したうえで、納得いく家賃設定の物件を見つけてみてください。
長く住むとコスパが悪くなる
初期費用の負担を抑えられる家具・家電付き物件は、入居期間が短いほどコストパフォーマンスが良くなります。反対に、2年以上居住する場合、一般賃貸の総コストのほうが安くなりやすいでしょう。 家具・家電付き物件と一般賃貸、家賃の差額が10,000円であった場合、2年間で480,000円もの差が生まれます。
家具・家電を自分で購入し運搬したほうが、安くなる可能性も高いでしょう。
家具や家電はこだわれない
家具・家電付き物件では、自分好みの家具や家電を一からそろえることはできません。 基本的に、「家の中に用意されたものを使う」という生活スタイルになります。新生活スタートに向けて、こだわりの家具・家電をそろえようとワクワクしている方も多いのではないでしょうか。
このような場合には、多少手間や初期コストがかかっても、一般賃貸を検討するのがおすすめです。
故障した際の対応が求められる場合がある
家具・家電付き物件に備え付けられた設備。 生活するうえで、トラブルが発生することもあるでしょう。このような場合、修理や交換のための費用を負担するよう求められる可能性があります。 故意もしくは自身の不注意で破損してしまった場合、特に注意が必要です。
新品の家具・家電は使用できない
家具・家電付き物件に備え付けられている設備は、基本的に中古品です。 新品は選べないので注意してください。使用者が変わる際にはしっかりとクリーニングされますが、「知らない人が使ったものはちょっと…」と感じる方もいるでしょう。 受け入れられるかどうか、慎重に判断する必要があります。
家具・家電の撤去ができない
自分で購入し保有している家具・家電なら、不要になったタイミングで自由に処分可能です。一方で、備え付けの家具や家電は勝手に撤去できないため、注意が必要です。 たとえ使わなくても、室内に置き続けなくてはいけません。
これにより、室内のレイアウトが制限されてしまう恐れがあります。
家具・家電付き物件の探し方
家具家電付きアパートメントは、一般的な賃貸物件と同じように探せます。 不動産会社にサポートを依頼する際に、「家具・家電付き物件を希望している」と伝えてください。不動産情報サイトを利用する場合も、「家具・家電付き」の条件で絞り込むと、希望に沿った物件に出会いやすくなります。
家具・家電付き物件の数は、エリアによっても大きく違ってきます。 「探しているのにあまり見つからない…」という場合には、不動産会社の担当者に相談しつつ、エリアを変更してみるのもおすすめです。
家具・家電付き物件の引っ越しの流れ
一般的な賃貸物件へ引っ越す際には、引っ越し業者を利用する方も少なくありません。 冷蔵庫や洗濯機、ダイニングテーブルといった大型の家具・家電を自分たちで運搬するのは難しいからです。 引っ越し先が家具・家電付き物件の場合、業者なしで作業を完了できる可能性も高いでしょう。 ふとんやキッチングッズ、洋服に身の回りの品物を自分たちで運べば、引っ越し作業は完了です。
家具・家電付き物件の注意点
家具・家電付き物件を検討する際に、注意するべきポイントは以下の3つです。設備の確認
家具・家電付き物件への入居を検討するなら、設備の事前確認は必須です。これら2つについて、しっかりとチェックしてみてください。
どのような家具・家電がセットになっていて、どの程度使えるのかは、入居後の生活にも深く関わってくるポイントです。
また最初から故障しているものがないかどうかについても、確かめておきましょう。
故障した際の対応方法
備え付けの家具や家電が故障した場合に、誰がどのように対応するのかも、事前に確認しておきたいポイントです。 基本的な内容は契約書に記載してありますが、不安な点は直接確認しておくのがベストです。原状復帰義務について
家具・家電付き物件においても、借主には原状復帰義務があります。 賃貸アパートの契約でトラブルになりやすいポイントだからこそ、不明な点は事前にはっきりさせておいてください。家具・家電の状態を、借主・貸主がしっかりと情報共有することも重要です。 入居前の情報共有は確実に行いましょう。
半年から2年以内の居住なら家具・家電付き物件の検討も
初期費用が割安な分、月々の家賃が高くなりやすい家具・家電付き物件。半年から2年程度までの居住であれば、一般的な賃貸物件よりもお得になるでしょう。 半年までであればマンスリーマンション、2年以上であれば一般賃貸を検討するのがおすすめです。
居住期間からも、自分に合った住まいのスタイルは変わってくるもの。ぜひ注目してみてください。
まとめ
家具家電付きアパートメントを検討している方にとって、どの程度お得になるのかは気になるポイントです。 メリットもデメリットもある家具・家電付き物件ですが、比較的短期間の入居であれば経済的メリットも実感しやすくなります。ぜひ積極的に検討してみてはいかがでしょうか。