手取り23万円の生活水準って実際どうなの?
手取り23万円は、日本全体で見れば「平均的〜やや上」の収入と言えます。20代社会人の中では高めの水準にあたり、贅沢をしなければ一人暮らしも十分に可能です。ただし、生活水準は家賃の高さや居住地、ライフスタイルによって大きく左右されるのが現実です。
例えば、都心部では家賃が高く6万円〜8万円を家賃に充てると、手元に残る金額は少なくなります。その中で光熱費、通信費、食費、日用品、交際費などを賄う必要があり、生活に余裕がなくなるケースも多いです。
反対に、家賃を抑えられたり、会社の家賃補助がある場合は、貯金や趣味に回す余裕も生まれます。つまり、手取り23万円での生活水準は「工夫次第」。固定費を見直し、堅実な支出管理をすることで快適な一人暮らしも十分可能です。
手取り23万円の月収・額面はどれくらい?
手取り23万円の人の額面月収(総支給額)は約29万円〜30万円程度が目安です。
そこから、健康保険・厚生年金・雇用保険・所得税・住民税といった各種社会保険料や税金が差し引かれ、実際に銀行口座に振り込まれる金額が「手取り」になります。
仮に残業や手当込みで手取り23万円を得ている場合、基本給だけなら25万円前後というケースも珍しくありません。地域や企業によって引かれる金額は多少異なりますが、一般的には額面の約75〜80%が手取りになると考えるとよいでしょう。なお、ボーナスの有無や年末調整、扶養の有無などでも手取り額に差が出ます。
20代で手取り23万円は多い?少ない?
20代前半(新卒〜入社3年目)の平均手取りは、一般的に18万〜21万円前後とされています。そのため、手取り23万円は同世代と比べて「やや高め」「平均より上」と評価できます。
特にボーナスなしで月23万円が安定して手に入っている場合、収入面でのスタートは順調な方だと言えるでしょう。
ただし、都市部では家賃や生活費が高いため、収入が高くても支出が多くなりやすく、「思ったより自由に使えるお金が少ない」と感じる人もいます。また、交際費や趣味、美容や自己投資にかかる費用を加味すると、生活の余裕度は住む地域やライフスタイルによって大きく変わるのが実情です。
手取り23万円の一人暮らしで「きつい」と感じる理由とは?
手取り23万円でも一人暮らしが「きつい」と感じる人は少なくありません。その理由の一つは、家賃などの固定費が大きな割合を占めることです。
家賃が6万円〜8万円程度になると、手取りの3分の1以上を占めてしまい、残りの金額で光熱費・通信費・食費・保険料・日用品などをやりくりする必要があります。また、予期せぬ出費(病院代、家電の故障、冠婚葬祭など)が発生すると、貯金が難しくなったり赤字に陥ったりすることも。
さらに、物価高騰や電気代の高騰が家計に影響を与えていることも背景にあります。「生活はできるけど、余裕がない」「将来の不安が拭えない」という感覚が「一人暮らしはきつい」という実感に直結しているのです。
家賃設定がカギ!理想の家賃と現実のギャップ
一人暮らしの支出で最も大きな割合を占めるのが「家賃」
手取り23万円で快適な生活を送るためには、家賃の設定が重要なポイントになります。一般的な家賃目安は「手取りの3分の1」とされていますが、実際の生活コストや貯金目標を考えると、もっと抑えたほうが良いケースもあります。家賃をどう設定するかによって、自由に使えるお金や将来の貯蓄に大きな差が出るため、慎重な判断が必要です。
ここでは、理想的な家賃額と現実とのギャップ、社宅や家賃補助の影響など、シミュレーションを交えて詳しく解説します。
家賃の目安は「手取りの3分の1」って本当?
「家賃は手取りの3分の1以内に抑えるべき」というのが一般的な目安です。
手取り23万円の場合、約7万6千円までが目安となります。しかし、この基準はあくまで目安であり、他の固定費や生活スタイルによって適正額は変わります。
例えば、スマホ代や保険料、奨学金返済などの固定費が高い場合は、家賃を25%(約5万7千円)程度に抑えたほうが生活に余裕が生まれるでしょう。逆に家賃が高いと、日々の生活費や貯金にしわ寄せが来てしまいます。「自分に合った家賃割合」を見極めることが、安定した一人暮らしのカギです。
家賃7万~8万円は高い?実際のシミュレーション
手取り23万円で家賃7万円〜8万円というのは、やや高めの設定です。
仮に家賃が8万円だと、残りは15万円。この中から、光熱費(1〜1.5万円)、通信費(スマホ・ネットで約1万円)、食費(3万円前後)、日用品・交際費・保険などでさらに3万円〜5万円かかります。
結果、貯金や趣味に回せる余裕は1万円〜2万円とギリギリです。家賃が6万円台であれば、もう少しゆとりのある生活も可能になります。もちろん、都市部で住環境や駅近を求めれば家賃は高くなりがちですが、無理のない家賃設定にすることで、精神的な余裕も大きく変わってきます。
社宅・家賃補助がある場合の違いとは?
社宅や家賃補助がある場合、手取り23万円でも生活の難易度は大きく下がります。
例えば、家賃8万円の物件に3万円の補助がある場合、実質負担は5万円。これは手取りの約22%に収まり、食費や光熱費に余裕が出るうえ、貯金にも回しやすくなります。また、社宅はそもそも家賃が格安(2万円〜3万円)に設定されていることも多く、生活の安定に直結します。
家賃補助制度があるかどうかは、就職・転職先を選ぶ際にも重要なチェックポイント。補助がある場合は、相場より少し高い部屋も選びやすくなるというメリットもあります。
手取り23万円の生活費のリアルな内訳とやりくり術
手取り23万円の一人暮らしでは、家賃・光熱費・通信費・食費・日用品・交際費など、さまざまな出費が重なります。生活を安定させるためには、各項目の支出バランスを把握し、無理のない範囲でやりくりすることが重要です。
特に家賃の設定によって、他の支出に回せる余裕が大きく変わるため、全体の内訳を把握したうえで、節約できるポイントを見極めることが生活の安定につながります。ここでは、平均的な生活費の内訳と、支出がかさみやすい項目ごとの節約術を具体的に紹介します。
平均的な固定費と変動費の内訳例(家賃別ケース紹介)
手取り23万円の一人暮らしを想定した、家賃ごとの生活費の一例を見てみましょう。
【家賃6万円の場合】
- 家賃:60,000円
- 光熱費(水道・電気・ガス):12,000円
- 通信費(スマホ・ネット):10,000円
- 食費:30,000円
- 日用品・娯楽・交際費:25,000円
- 保険・積立:10,000円
- 貯金:20,000円
- 合計:167,000円
【家賃8万円の場合】
- 家賃:80,000円
- 光熱費(水道・電気・ガス):12,000円
- 通信費(スマホ・ネット):10,000円
- 食費:30,000円
- 日用品・娯楽・交際費:25,000円
- 保険・積立:10,000円
- 貯金:20,000円
- 合計:187,000円
その他項目は同じと仮定すると、貯金額や娯楽費を削る必要がある状況になります。このように、家賃が月収に与える影響は大きく、無理のない固定費設定が家計の安定につながるカギです。
支出が多くなりがちなポイントと節約法
一人暮らしで支出が多くなりがちなのは、食費・通信費・光熱費・交際費の4つ。
特に食費は外食中心になると月3万円〜4万円を超えることも。節約の基本は「自炊」です。作り置きや冷凍保存を活用すれば、月2万円台に抑えることも可能。通信費も、格安SIMへの乗り換えで月5,000円以上の節約になる場合があります。
光熱費は、エアコンの設定温度を見直したり、LED照明に変えるだけでも効果的。交際費についても、月の予算をあらかじめ決めることで、無駄遣いを防げます。
これらの小さな工夫の積み重ねが、「きつい」を「ちょうどいい」に変えるコツです。
手取り23万円で節約しながら快適に暮らすコツ5選
手取り23万円で一人暮らしをしながらも、無理なく快適に暮らすには「節約=我慢」ではなく、「上手にお金を使う工夫」が必要です。
固定費の見直しや日常的な買い物のコツ、そして無理のない貯金習慣を取り入れることで、ストレスなく生活にゆとりを持たせることが可能です。
ここでは、生活の質を落とさずに出費を抑える実践的な5つの節約術をご紹介します。今日から始められる内容ばかりなので、ぜひ日々の生活に取り入れてみてください。
自炊を習慣化する
節約の中でも最も効果が出やすいのが「自炊」です。外食を1回1,000円で週5回すると、月2万円以上かかりますが、自炊中心なら月1.5万円前後に抑えることも可能。
特に「作り置き」や「冷凍保存」を活用すれば、手間を減らしつつ食費も大幅カットできます。カレーやスープ、パスタなどを一度に多めに作って保存することで、食事の準備時間も短縮でき、外食やコンビニ食の誘惑も減ります。健康面についてもとても良いことなので、節約と同時にQOLも上がるおすすめの習慣です。
光熱費は「工夫」で差がつく
光熱費は工夫次第で1,000円〜数千円の差が出ます。
エアコンは「自動運転」に設定し、必要以上に温度を上げ下げしないのがポイント。また、LED照明への交換や、冷蔵庫の設定温度を季節ごとに調整するだけでも節電につながります。
冬場のガス代を抑えたいなら、追い焚きよりシャワーの活用が有効的です。電気・ガス会社の料金プランを見直すことでも節約できます。「意識するだけ」で減らせる費用だからこそ、毎月の差が大きくなります。
格安スマホ・ネットの見直し
スマホやインターネットの通信費は、見直すだけで毎月5,000円以上の節約が可能です。大手キャリアから格安SIMに変更することで、月々のスマホ代が8,000円から1,500円程度になるケースも。
Wi-Fiについても、一人暮らしならポケットWi-Fiや光回線のミニプランなど、使い方に応じた選択が重要です。また、契約中の不要なオプション(留守電、動画サービス等)があれば、すぐに解約しましょう。固定費は毎月積み重なるからこそ、早めの見直しが長期的な節約に直結します。
買い物は「まとめ買い&ポイント活用」
日用品や食材の買い物は「まとめ買い」を意識するだけで無駄な出費を防げます。特売日や業務スーパーなどを活用し、1週間分をまとめて購入することで、余計な「ついで買い」を減らせます。
また、キャッシュレス決済やポイントアプリ(楽天、PayPay、dポイントなど)を併用することで、実質的な値引き効果も得られます。定期的に「どこで何を買うと一番お得か」を把握しておくことで、効率的に節約が可能になります。買い物は「戦略的に行うこと」がポイントです。
貯金は「残ったら」ではなく「先取り」
「余ったら貯金する」では、なかなかお金は貯まらず貯金は難しくなります。おすすめは給料日直後に、あらかじめ貯金分を別口座に移す「先取り貯金」です。
例えば、毎月2万円を貯金すると決めたら、その分は生活費とは別に管理しましょう。自動振替設定をしておけば、無意識でも続けられます。また、積立NISAや定期預金など、自動で貯まる仕組みを使うのも貯金がうまくできる方法のひとつです。最初は少額からでも全く問題ないです。「習慣化」することが将来の安心に繋がります。
手取り23万円で一人暮らしを続けながら貯金するには?
「生活するだけで精一杯…貯金なんてムリ」と感じがちな手取り23万円の一人暮らし。でも実は、固定費を見直し、支出を少し意識するだけで、人それぞれですが月1万円〜3万円の貯金は十分に可能です。
大切なのは「残ったら貯金」ではなく「先に貯金を確保する」という考え方。家計に合ったルールを作り、無理なく継続できるスタイルを見つけましょう。
将来の安心や目標達成のためにも、少額でも“継続”がカギ。ここでは理想の貯金額や、モチベーションを保つ工夫、お金の使い方のバランスについて解説します。
毎月どれくらい貯金できるのが理想?
手取り23万円の場合、理想の貯金額は、月2万〜3万円(10%〜15%)が目安です。
生活に余裕がある場合は、5万円ほど貯める人もいますが、無理をすると継続が難しくなります。貯金の目的によっても変わりますが、「年間30万円」を一つの目標にすると現実的です。
また、ボーナスが出る職場であれば、ボーナス全額を貯金に回すだけでも年間50万円以上の貯蓄が可能。まずは「最低1万円」からスタートし、慣れてきたら金額を徐々に増やすのが成功のポイントです。
ご褒美と投資でモチベーションを維持する方法
節約や貯金を続けると、ついストレスが溜まりがちです。
そんなときは、月に1回「ご褒美デー」を設けるのがおすすめ。外食や好きなスイーツ、小旅行など、小さな楽しみを取り入れることで気持ちをリセットできます。
また、つみたてNISAやポイント投資など、少額から始められる投資を併用すれば、お金が「増える」楽しさも実感できます。節約と投資、そしてご褒美のバランスを取ることで、前向きにお金と付き合いながらモチベーションを維持することが可能です。
ライフプランに合わせたお金の使い方
貯金や支出のバランスは、自分の将来設計=ライフプランに沿って考えることが大切です。
例えば、数年以内に転職・結婚・引っ越し・車の購入などを考えている場合、それに向けた資金計画が必要です。短期目標(旅行、引っ越し資金)と長期目標(老後資金、資産形成)を分けて管理すると、漠然とした不安がなくなり、行動に一貫性が出ます。
また、「今しかできない体験」にお金を使うことも、自分にとって大切な投資。節約だけでなく、「価値ある支出」を見極める視点も重要です。
手取り23万円の人が「一人暮らしがきつい」と感じたときの対処法と考え方
手取り23万円でも、「生活がギリギリ」「貯金ができない」「心に余裕がない」と感じる人は少なくありません。そんなときは、まず「何がきついのか」を明確にしましょう。
例えば、家賃が高すぎる、固定費が圧迫している、孤独感がつらい…など理由は人それぞれです。重要なのは、「生活を変える選択肢は意外と多い」ということ。無理に今のスタイルに固執せず、環境を少し変えるだけで大きく改善することもあります。
ここでは、具体的に取り組みやすい対処法として「家賃を下げる」「シェアハウスを検討する」2つの方法をご紹介します。
引っ越しで家賃を下げるという選択肢
生活が厳しいと感じたときにまず見直すべきなのが「家賃」です。家賃は支出の中でも最も大きな割合を占める固定費であり、ここを見直すだけで家計に大きな余裕が生まれます。
例えば、現在の家賃が7.5万円だとすると、1万円下げるだけで年間12万円の節約になります。駅から少し遠い、築年数が古い、バストイレ一緒など条件を柔軟にすれば、家賃を抑えた物件も十分に見つかります。
家賃を見直すことで、貯金ができるようになったり、他の支出にも余裕が持てたりと、生活の質が向上するケースは多いです。
シェアハウスに住むという選択肢
一人暮らしが精神的・経済的にきついと感じる人にとって、シェアハウスは有力な選択肢のひとつです。
シェアハウスは、家賃・光熱費・ネット代などが込みで5万円前後の物件も多く、生活コストを大きく抑えることが可能です。また、家具・家電付きのケースも多く、初期費用をぐっと抑えられるのも魅力。
さらに、人とのつながりが生まれやすく、孤独感を軽減したい人にもおすすめです。プライベートな空間を重視する人には向かない面もありますが、「一人暮らしがしんどい」と感じる今だからこそ、柔軟な選択として検討する価値は十分にあります。
まとめ
手取り23万円での一人暮らしは、収入だけを見ると十分生活できそうに思えますが、実際には家賃や固定費、物価の上昇などにより「きつい」と感じる人も少なくありません。とはいえ、家賃の見直しや支出の最適化、自炊や格安スマホの活用など、日々の工夫によって生活の質を落とさずに快適な暮らしを実現することは可能です。
また、先取り貯金や少額投資を取り入れることで、将来への不安も軽減されます。家計管理のポイントは「収入を増やす」よりも「無理のない支出と継続できる貯金」。
自分のライフスタイルに合った選択をしながら、賢くお金と付き合っていくことがゆとりのある一人暮らしへの近道です。